2014年09月09日
火を放て!!ULAC的火器類の選び方2燃料の種類について
皆さんハロにちは。Blastです。
数あるキャンプ用品沼の中でも、特に深いと言われてる火器沼の入り口に足を突っ込みかけるこの連載。
ULAC的火器類の選び方についてまとめております。
前回の序論はこちら
です。
さてさて、今回は燃料の種類とその特徴についてです。
皆様はキャンプ用燃料って何を使ってらっしゃいますか?
ガス、ホワイトガソリンあたりが多いかと思います。
ワタクシが思うにキャンプ用の燃料は
・固形燃料
エスビット、薪、炭、ロウソクなど
・ガス燃料
カセットガス、OD缶ガス、プロパンガスボンベなど
・液体燃料
アルコール、ガソリン、ホワイトガソリン、灯油
などがあります。
また、単純な話ですが、物質が引火する、と言うことは、物質の表面温度が高くなり、一部が気化して引火するので、燃料として火を灯しやすいのは
ガス(気体)燃料
液体燃料
固形燃料
この順で燃焼させ易いことになります。
また、ULAC的にはコンパクトか?と言う点が気になりますが、状態を問わず同一の質量(つまり同一燃焼熱量)を持ち運ぶ場合、当然固形→液体→ガス(気体)の順にコンパクトに収まります。
ではそれぞれの燃料の特性を見て行きましょう。
最も一般的なガス(気体)燃料は気体状態では容積が大きい為、圧力を高めて液体状態に抑え込み、容積を抑えています。そして、常圧まで減圧する事で気化温度を下げて、気化させます。
つまり、ガス燃料は燃焼時液体からの気化を必ず行っています。
ただ、残念な事に圧力は必ず使って行く上で減少傾向に有ります。
更に気化する要因としては温度が必要になります。しかし温度で気化する際には減圧しての気化と比べ、蒸発潜熱により周囲の熱を多く奪う必要があります。これは低温時には非常に不利な条件になります。
つまり、相当高圧な状態を維持できる容器を使用しなければ、安定した火力は得られない、のがガス(気体)燃料です。
しかしながら高圧を維持するには安全性の問題もあり、それなりの構造体を必要とする為(プロパンガスボンベなど)携行性は著しく低下してしまいます。
折衷案的に軽量化した圧力容器に、差し障りの無い圧力で燃料を注入する事で携行性を持しているのがガス(気体)燃料です。
ガスの次に一般的な液体燃料ですが、こちらも当然燃焼には気化が必要となります。液体燃料は気化温度、引火温度などで燃料の種類に応じた安全性が考慮出来ますが、基本的には
"常温"よりも"高い温度"で燃料を気化させて燃焼させます。
この為、液体の燃料を気化させるプレヒートが必要になります。
よく"プレヒート不要"と歌われた液体燃料火器がありますが、ユーザーが意識してるかどうかは別としてプレヒートは必ず行い、燃料を気化しています。
単純な話ですが、燃料パイプがバーナー上部を通る構造になっている設計のバーナーを良く見ますが、ここを燃料が通過する事で気化させる、つまり厳密な意味でのプレヒートを行っています。
バーナー部が高温に維持されると断続的に気化が続く為、ユーザーはプレヒートを意識せず使用出来ます。
またこの様な熱サイクルで気化をしている為、圧力、気温には左右されにくい特性があります。
ガスと比べると圧力、温度にうるさく無い液体燃料ですが、当然難点もあります。
液体燃料の難点は必ずユーザーの手により"給油"の必要があり、その液体はその他の物質よりも引火点が低めの"危険物"であると言う点です。
取り扱いにはそれなりの注意が必要になります。
ではキャンプの燃料としてはマイナーですが固形燃料はどのような特性を持っているでしょうか。
非常にわかり易い例が炭ですが、炭で炎を上げる場合も、当然固形の状態から昇華し気体になった燃焼ガスが燃焼し、高温を維持させる事でこの燃焼サイクルを維持します。
炭の様に燃焼ガスの発生が非常に高温な場合、点火が困難になりますが、エスビットの様に燃焼ガス発生温度がライターの火程度の温度で充分な場合、点火は容易になります。
個体燃料はその他の燃料と違い、気化温度が高い為、非常に安全な燃料と言えます。
しかし安全ではある反面、扱いにくいのが固形燃料です。燃焼に必要な気化(昇華)させるにはそれなりの熱量が必要な上、その量をコントロールする事が難しくなります。
燃焼量をコントロールする事は、気化量をコントロールする事と同義な為、ガス(気体)燃料が一番コントロールしやすいとも言えます。
液体燃料は気化するだけの安定した熱源が有ればコントロールは容易になります。
しかし、個体燃料は余りコントロールし易いとは言い難いのが実情です。
またこの手の物を選択する上で重要なオペレーションコストは、傾向として
圧力容器を使用しなければならないガス(気体)燃料>固形燃料>液体燃料
の順になるでしょうか…
固形燃料は選択の幅が広くなるので、もしかしたら液体燃料の方が高いかもしれません。
燃料毎にこの様な特性が有ることを把握した上で、自分の技量に合わせて火器を選択することで、その後のキャンプスタイルが決まって来ると言えます。
また、難しい、とされる機器に敢えてトライするのもありです。
どんな道具でもいつかは慣れます。
しかし、最初決めた燃料で運用しはじめた物を一部だけ異なる燃料にするのは、最も非効率で、面倒かつ荷物の増加を招きます。
これらを念頭に入れて、火器類を取り揃えて行きましょう。
当然、当初はあり合わせの物やレンタル品でも問題ありません。
家で鍋をする時に使うカセットコンロと電池式ランタンで初めてキャンプスタイルを検討してから燃料の種類を定めても遅くはありません。
問題はその後も長く愛用出来る物を納得して使い続ける事だとワタクシは考えています。
そんなワタクシはどんな燃料で統一してるかと言うと。液体燃料で全て揃えております。
発端はこのバーナー。

(画像は日本代理店から拝借)
Optimus No85 Nova+
万人受けはしませんが、ワタクシにとってはどんな環境に行く場合でも持ち歩く一品。
壊れて2台目も同じ物を買う位の愛しようです。
ではでは既に持っている人、これから揃える人にも分かり易く、をモットーにこれから3回に分けて燃料のタイプ別にどのようなバーナー、ランタンが選べるか、をご紹介します。
と言うことで!次回は初心者にはハードルが高いが安価に始められる固形燃料編。
お楽しみに!

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数あるキャンプ用品沼の中でも、特に深いと言われてる火器沼の入り口に足を突っ込みかけるこの連載。
ULAC的火器類の選び方についてまとめております。
前回の序論はこちら
です。
さてさて、今回は燃料の種類とその特徴についてです。
皆様はキャンプ用燃料って何を使ってらっしゃいますか?
ガス、ホワイトガソリンあたりが多いかと思います。
ワタクシが思うにキャンプ用の燃料は
・固形燃料
エスビット、薪、炭、ロウソクなど
・ガス燃料
カセットガス、OD缶ガス、プロパンガスボンベなど
・液体燃料
アルコール、ガソリン、ホワイトガソリン、灯油
などがあります。
また、単純な話ですが、物質が引火する、と言うことは、物質の表面温度が高くなり、一部が気化して引火するので、燃料として火を灯しやすいのは
ガス(気体)燃料
液体燃料
固形燃料
この順で燃焼させ易いことになります。
また、ULAC的にはコンパクトか?と言う点が気になりますが、状態を問わず同一の質量(つまり同一燃焼熱量)を持ち運ぶ場合、当然固形→液体→ガス(気体)の順にコンパクトに収まります。
ではそれぞれの燃料の特性を見て行きましょう。
最も一般的なガス(気体)燃料は気体状態では容積が大きい為、圧力を高めて液体状態に抑え込み、容積を抑えています。そして、常圧まで減圧する事で気化温度を下げて、気化させます。
つまり、ガス燃料は燃焼時液体からの気化を必ず行っています。
ただ、残念な事に圧力は必ず使って行く上で減少傾向に有ります。
更に気化する要因としては温度が必要になります。しかし温度で気化する際には減圧しての気化と比べ、蒸発潜熱により周囲の熱を多く奪う必要があります。これは低温時には非常に不利な条件になります。
つまり、相当高圧な状態を維持できる容器を使用しなければ、安定した火力は得られない、のがガス(気体)燃料です。
しかしながら高圧を維持するには安全性の問題もあり、それなりの構造体を必要とする為(プロパンガスボンベなど)携行性は著しく低下してしまいます。
折衷案的に軽量化した圧力容器に、差し障りの無い圧力で燃料を注入する事で携行性を持しているのがガス(気体)燃料です。
ガスの次に一般的な液体燃料ですが、こちらも当然燃焼には気化が必要となります。液体燃料は気化温度、引火温度などで燃料の種類に応じた安全性が考慮出来ますが、基本的には
"常温"よりも"高い温度"で燃料を気化させて燃焼させます。
この為、液体の燃料を気化させるプレヒートが必要になります。
よく"プレヒート不要"と歌われた液体燃料火器がありますが、ユーザーが意識してるかどうかは別としてプレヒートは必ず行い、燃料を気化しています。
単純な話ですが、燃料パイプがバーナー上部を通る構造になっている設計のバーナーを良く見ますが、ここを燃料が通過する事で気化させる、つまり厳密な意味でのプレヒートを行っています。
バーナー部が高温に維持されると断続的に気化が続く為、ユーザーはプレヒートを意識せず使用出来ます。
またこの様な熱サイクルで気化をしている為、圧力、気温には左右されにくい特性があります。
ガスと比べると圧力、温度にうるさく無い液体燃料ですが、当然難点もあります。
液体燃料の難点は必ずユーザーの手により"給油"の必要があり、その液体はその他の物質よりも引火点が低めの"危険物"であると言う点です。
取り扱いにはそれなりの注意が必要になります。
ではキャンプの燃料としてはマイナーですが固形燃料はどのような特性を持っているでしょうか。
非常にわかり易い例が炭ですが、炭で炎を上げる場合も、当然固形の状態から昇華し気体になった燃焼ガスが燃焼し、高温を維持させる事でこの燃焼サイクルを維持します。
炭の様に燃焼ガスの発生が非常に高温な場合、点火が困難になりますが、エスビットの様に燃焼ガス発生温度がライターの火程度の温度で充分な場合、点火は容易になります。
個体燃料はその他の燃料と違い、気化温度が高い為、非常に安全な燃料と言えます。
しかし安全ではある反面、扱いにくいのが固形燃料です。燃焼に必要な気化(昇華)させるにはそれなりの熱量が必要な上、その量をコントロールする事が難しくなります。
燃焼量をコントロールする事は、気化量をコントロールする事と同義な為、ガス(気体)燃料が一番コントロールしやすいとも言えます。
液体燃料は気化するだけの安定した熱源が有ればコントロールは容易になります。
しかし、個体燃料は余りコントロールし易いとは言い難いのが実情です。
またこの手の物を選択する上で重要なオペレーションコストは、傾向として
圧力容器を使用しなければならないガス(気体)燃料>固形燃料>液体燃料
の順になるでしょうか…
固形燃料は選択の幅が広くなるので、もしかしたら液体燃料の方が高いかもしれません。
燃料毎にこの様な特性が有ることを把握した上で、自分の技量に合わせて火器を選択することで、その後のキャンプスタイルが決まって来ると言えます。
また、難しい、とされる機器に敢えてトライするのもありです。
どんな道具でもいつかは慣れます。
しかし、最初決めた燃料で運用しはじめた物を一部だけ異なる燃料にするのは、最も非効率で、面倒かつ荷物の増加を招きます。
これらを念頭に入れて、火器類を取り揃えて行きましょう。
当然、当初はあり合わせの物やレンタル品でも問題ありません。
家で鍋をする時に使うカセットコンロと電池式ランタンで初めてキャンプスタイルを検討してから燃料の種類を定めても遅くはありません。
問題はその後も長く愛用出来る物を納得して使い続ける事だとワタクシは考えています。
そんなワタクシはどんな燃料で統一してるかと言うと。液体燃料で全て揃えております。
発端はこのバーナー。

(画像は日本代理店から拝借)
Optimus No85 Nova+
万人受けはしませんが、ワタクシにとってはどんな環境に行く場合でも持ち歩く一品。
壊れて2台目も同じ物を買う位の愛しようです。
ではでは既に持っている人、これから揃える人にも分かり易く、をモットーにこれから3回に分けて燃料のタイプ別にどのようなバーナー、ランタンが選べるか、をご紹介します。
と言うことで!次回は初心者にはハードルが高いが安価に始められる固形燃料編。
お楽しみに!

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Posted by Blast at 07:10│Comments(2)
│キャンプ用品の選び方
この記事へのコメント
Blastさん
こんにちは!
燃料の統一、大事ですよね。
僕はガス、固形、ランタン用オイル、さらに照明用で言えば電池など、思いっきり迷走してます。。。
これからの更新、参考にさせていただきます!
楽しみにしてます!
こんにちは!
燃料の統一、大事ですよね。
僕はガス、固形、ランタン用オイル、さらに照明用で言えば電池など、思いっきり迷走してます。。。
これからの更新、参考にさせていただきます!
楽しみにしてます!
Posted by 川崎(仮)
at 2014年09月09日 19:31

>川崎(仮)さん
おはようございます!
いつもコメントありがとうございます(^^)
燃料を統一すると荷物も減るんでオススメです。
我が家も迷走しまくりです。
液体燃料で統一してる、なんて書きながら白ガス、灯油、アルコールと色々ありまして(笑
電池式は結局一個は持ってしまいますよね。
ウチはsnowpeakのほおずき使ってます。
おはようございます!
いつもコメントありがとうございます(^^)
燃料を統一すると荷物も減るんでオススメです。
我が家も迷走しまくりです。
液体燃料で統一してる、なんて書きながら白ガス、灯油、アルコールと色々ありまして(笑
電池式は結局一個は持ってしまいますよね。
ウチはsnowpeakのほおずき使ってます。
Posted by Blast
at 2014年09月10日 07:30
