満天の星の光を写すには〜星空写真の写し方3-c,露出について〜

Blast

2014年09月29日 08:46

皆さんハロにちはBlastです。
満点の星の光を写すには、と題してお送りしておりますこのシリーズ。
興味がある方がいるかわかりませんが…細々と書いてまいります。

1回目の序論はこちら
2回目の道具編 序論はこちら
3回目の道具編 カメラ編はこちら
前回の道具編 三脚編はこちら
前回の撮影編 序論はこちら
前回のピント合わせについてはこちら
です。

昨日は昼間に土星食があったようですが、撮影には厳しい条件だったので、こんな写真




を撮って遊んでました。

さてさて、前回、前々回と写真撮影の基本となる露出とピント合わせについてご案内しました。

特に星空撮影では星のピント調整に手間取る事が多いので、それ専用の手法についてご紹介しました。

今回はいよいよ本番の撮影です。
カメラを三脚に乗せ、ピントを調整した後の、より良い写真を撮影していく為の露出についてご案内します。

まず、構図を決めるときは一旦カメラの電源を切ってファインダーを覗き、大まかに構図を決めます。

EVF(電子式ファインダー)の場合は、人工の明かりを頼りに構図を決めるか、撮影しながら構図を合わせていきます。

構図が決まれば後はシャッターを切るだけですが長時間露光の場合、手でシャッターを切ると三脚の上であってもそれなりに振動が伝わってしまいます。

その為、リモコンを利用するか、リモコンが無い場合はセルフタイマーを利用すると、シャッター押下時の手ブレ回避ができます。

そして肝心の露出設定ですが、これは実はカメラ毎に特性が異なる為少し厄介です。

お持ちのカメラの特性を掴んで頂く必要がありますが、まずはISO値を最大限に上げ、シャッタースピードを手持ちのカメラで可能な最長露光時間に設定し、絞り開放(最も小さな数値)に設定して撮影します。

まずは一枚、星空写真が撮影できているはずです。

この一枚がお持ちのカメラで星空を撮影した時の最大能力と言っても間違いないでしょう。
しかし、荒れが生じているという事は露出としては(敢えてその効果を狙って無いのなら)不適切であると言えます。

しかし、最大ISOでシャッタースピードも長いと、画像にザラザラした"荒れ"が生じているはずです。

荒れはISO値が高ければ高いほど、露光時間が長ければ長いほど、目立つようになります。

その為、荒れを回避するにはISO値を低く設定するか、同じISO値で露光時間を短くするか、この2種類の方法があります。

ここで思い出して頂きたいのが撮影編 序論でお話しした蛇口とコップのお話しです。

つまりこの場合、蛇口の下にコップを置いておく時間(シャッタースピード)を短くして、コップの大きさは変えない、という事になります。

すると何が起きるかと言うと、最初撮った荒れた画像の写真と比較すると、写っている星の数が少ない、という事になります。

でも恐らく、目で見ているよりは多く、もしくは明るく星が写っているのではないでしょうか?

まずは多くの星を写す事を主眼に置くのでは無く、目で見えるのと同じ位の星を滑らかな写真に撮影する事を主眼においてトライしていく事をお勧めします。

まずは最大ISO値である程度、荒れが気にならない程度までシャッタースピードを短くしてみましょう。

短くした結果、満足な画像(これをAとします)が得られたら今度はそのシャッタースピードの2倍の露光時間にセットして、ISO値を半分に設定してみましょう。

そして、撮影した結果(これBとします)をAと見比べてみましょう。

どちらの方がお好みな仕上がりですか?
また写真はプリントしてみると液晶で見た画像と異なった印象になります。
プリント時の結果も見て、お持ちのカメラの特性に合わせて露出を色々試してみて下さい。

また、絞り(蛇口の開度)は開放に設定していると、周辺域に影が生じます。
また、開放で撮影しているとややシャープさに欠けるきらいがあります。
その為、少し絞りを閉じてあげるとよりシャープな画像が得られます。

しかしただ絞り(蛇口の開度)を閉じると、同じISO値(コップの大きさ)では単に暗くなってしまいますので、シャッタースピード(蛇口の下にコップを置く時間)を長くするか、ISO値を上げて撮影してみましょう。

また、可能であればホワイトバランスを変更して撮影してみましょう。

星は一つ一つが遠くにある太陽のような物なので、割と晴天下での設定で素直な色合いが出ますが、敢えて変更し色味を変えて満足な仕上がりを求めるのも星空撮影の楽しみ方の一つです。

またこれらの撮影テクニックはキャンプ時以外にも普段から自宅などで練習しておくと、現地でスムーズにセッティングできます。

是非ご自宅でも試してみて下さい。

もしかしたら目に見えなくても、天の川が写るかもしれません。

本当は新月期の週末にこの連載が終わればよかったのですが、2日程ズレてしまいました。

次回新月は10月24日。
月を利用してピント合わせをしようと考えている方は、24日の翌週末の方が良いでしょう。(月入り待ちをする時間が生じますが)

また、10月8日は皆既月食も楽しめます。

これにて星空撮影については終了。
次回からは…
何書こう…(^^;;

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